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2014年5月

2014年5月31日 (土)

Flowers of Sendai  Jan Lundgren Trio

『European Standards』以来5年ぶりのトリオであるが、待ちに待ったと言えるね。昨年のJoey Calderazzoのピアノトリオも相当待ちに待たせてもらったにもかかわらず、個人的に不満の残る内容だったが、Jan Lundgrenの場合は、昨年の『Man in The Fog』があれほど素晴らしかったんだから、トリオであっても大丈夫だろうという聴く前から確信めいたものが私のなかにはあった。『Man in The Fog』を聴いて以来、わたしのとってJan Lundgrenはもっとも注目すべきピアニストのひとりとなってしまったのである。

今日エヴァンス系と言われる優れた美的感覚を持つピアニストは多いが、このピアニストは一音一音じっくりと考えぬいたうえで音を選んでいるようで、何をどのように弾いても無駄な音、装飾的のところがない感じがする。ソロピアノでも、あるいはピアノトリオであっても、勢いに任せたような弾き方ではなく、たいへん研ぎ澄まされた、ジャズピアニストにしては音に対して厳選的な印象を受ける。だからなのか、後からじわじわと来るようなところがあるんだろうか?

どの曲もいい演奏しているが、「Alone For You 」  がLundgrenに一番ぴったりと合う曲だろう。ピアノ・カンタービレという謳い文句を用いるなら、わたしならこの曲だろう。

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1   Parfait Amour   
2   Melancolia   
3   Flowers Of Sendai   
4   Transcendence   
5   Waltz For Marion   
6   Fellini   
7   Alone For You   
8   Mulgrew   
9   Lush Life   
10 Man In The Fog   

わたしは輸入盤を買ったのでボーナストラック「Yesterdays」は聴けなかった。

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2014年5月25日 (日)

Debussy Szymanowski Rafal Blechacz

Debussy

「Pour le piano」 「Estampes」 「L'lsle joyeuse」

もともと「ピアノのために」と言う曲はリズミカルな曲でもあるが、ブレハッチのピアノの滑らかなタッチのリズミカルな表現は爽やかであり、いずれの曲もあっさりと流れてしまう感がある。しかし、これはいたって聴きやすさに繋がっているし、わたしにはかなり新鮮に聴こえた。これなら眠くはならないで聴ける。録音も良好なのでなおさら気に入った。

Szymanowski

「Prelude and Fugue in C sharp minor」 「Sonata in minor」

このピアニストの録音もSzymanowskのピアノ曲も初聴き。「Prelude and Fugue in C sharp minor」 「Sonata in minor」 どちらもSzymanowskの初期の作品なので、ショパンとスクリャービンの影響を思わせるものはあるものの、わたしにはこのころからすでに神秘的な響きがあると思って聴いた。なので、まだ聴いていない中期から後期の作品を聴いたら、かなり神秘的で難解な作品に感じるであろうか。

ブレハッチは昨年もリサイタルで来日しているが、いずれは聴いてみたい(それもまだまだ若いうちに)と思うピアニストである。あとは演奏曲のレパートリーを増やしてわたしの好きな曲をやってくれるかどうかだろう。これからも大いに期待できると思わせるに十分な録音だった。

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2014年5月13日 (火)

Hommage a Messiaen Pierre-Laurent Aimard

『8つの前奏曲』はまず曲名がすごい。2曲目とか「悲しい風景の中の恍惚の歌」っていうんだから。「鳥の歌声」と言われている『鳥のカタログ』なんか、正直何これ?って感じの不気味さもあり、奇異に聴こえるが、面白いと言ったら面白いとも言える。

スコア通りに正確に演奏するのは至難の技だというが、その「至難の技」を、聴く方はちゃんと真剣に聴かないといけないだろうか? わたしはそんな風にじっくりと向き合っては聴けない。この手の音楽はふつうに流し聴きでもよしとするが、自分がどういう感じ方をするのかを見るために、また聴こうとしたりしそうである。メシアンのピアノ曲は初聴きであるが、他の作品も聴いてみたいと思わせるものはある。

 『8つの前奏曲』
1 「鳩」
2 「悲しい風景の中の恍惚の歌」
3 「軽快な風刺」
4  臨終の瞬間」
5 「夢の中の触れ得ない音」
6 「苦悩の鐘と別れの涙」
7 「静かな嘆き」
8 「風の中の反射光」

  『鳥のカタログ』
9 「ヨーロッパうぐいす」
10 「もりひばり」

  『4つのリズムのエチュード』
11 「火の島Ⅰ」
12 「火の島Ⅱ」

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2014年5月 1日 (木)

D845 & D960 

シューベルトのピアノ・ソナタのこのふたつの組み合わせは良い。このピリスの昨年リリースされた2011年録音の演奏は、合わせて83分にもおよぶが、冗長さをまったく感じさせることなく聴くことができる。聴き手を魅了し引き込んでしまう演奏なのであるが、シューベルトの音楽とは、長くても演奏が素晴らしければそういった音楽だとも言える。

はじめは車の中で聴いてしまったが、当然ながらカー・ステの音は深みのある音は出ないので、この演奏の素晴らしさの30%も理解できなかった。楽曲自体の素晴らしさをあらためて気付かせ教えてくれるような演奏こそ私は聴きたいのであるが、それがまさにこれだった。このピアノ・ソナタは素晴らしい、シューベルトそのものである。これを聴けば、ピリスが世界最高のピアニストのひとりであることが分かる。余計な装飾や解釈を排し、シューベルトの音楽と一体となって聴こえてくる。これはただの美しいとかの、そういったレベルではない。この感覚を言葉では表現するのは難しい。はじめてアファナシエフのD960を聴いたとき、一体このトリルは何?と思ったが、同じ音楽なのにピリスだとこんな前向きで柔和な響きがするものなのかと思う。音楽とは奥が深い。

Maria Joao Pires Schubert D845 & D960 

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