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2014年3月

2014年3月17日 (月)

まさか No.30 まで聴けるとは思わなかった

サントリーホールは本当に久しぶりだったが、けっこう道は覚えていた。眠くならないように睡眠も十分にとり、聴くことだけに集中できるよう心がけた。

東北に捧げるコンサートと題されたアンドラーシュ・シフのピアノリサイタルであるが、今回組まれたプログラムは「6つのバガテル」「ピアノ・ソナタ第32番」 「ディアッベリの主題による33の変奏曲」 の三曲。シフが今回選んだピアノはベーゼンドルファー。

演奏する順に32番を真ん中に持ってきていたが、これは聴く立場にとっては私的にはいいと思った。だが、何なんだろうね、32番の二楽章がもう少しで終わろうかということろで、信じられないことが発生。この不幸はあえて書かない。ここで詳細を書いたところであまりにもバカバカし過ぎて仕方ないから書けない。ありえないことが起きてしまったのである。

しかし、それでもこの日のサントリーホールをわたしは選んで良かった。結局はそんなありえないまったく不幸な出来事を忘れさせてくれるほど素晴らしかったからである。わたしは苛立ったし、今回の最大の目的は32番を聴くことにあったが、立ち去ることはできなかった。この場に最後までいることが重要に思えたのである。シフはアンコールにバッハのゴールドバルグ変奏曲アリアを演奏し、そのあと東北への想いを語ってくれたが、なんと最後にまたベートーベンに戻って終わりにしたいと言ったのである。

シフは黙って椅子に座り弾きはじめた。シフは想いを馳せながら、30番を全楽章演奏したのである。ベートーヴェン・ピアノ・ソナタで32番と同じくらい30番が好きな私は、これで感動しないわけがない。

シフはどの曲も演奏を終えたあと、深く沈黙し、お祈りをしているようだった。

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2014年3月 3日 (月)

Solo Piano at Carnegie Hall 1973-78 Bill Evans

流石にBill Evansだからなのか観客の拍手はすごい。でも、これはそんなところで驚いてはいけない驚愕の未発表音源集。

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2~4曲目までが73年演奏のもので、音はたいして良くはない。よくある思いっきりブートの音である。しかし、「Hullo Bolinas」のなんとまあ美しいこと。 私はこの3曲聴き終えた時点で、今回これは買ってよしとした。そのソロ・ピアノは音の悪さなど忘れるくらいに素晴らしかったからである。

5~9曲目までは78年のもの。Evansの「You Don’t Know What Love Is」は初めて聴いた。めずらしいと思って聴いた。音は73年に比べればまだマシと言えるが、決して良いとは言えない。しかし、それでもここでのEvansは歌心に溢れていると感じることができたから文句はない。

「B Minor Waltz」の演奏が終わったところで、Evansが観衆に向かって「Can you  hear all right ?」と言っているように聞えたが、もう、これを生で聴いたら涙なくしては聴けない人もいるんじゃないだろうか?

10曲目から終わりの15曲目までは70年のトリオ演奏で、これはもっと音が悪く感じるが、わたしはこれはなくてもいい。できればこの録音はなしにしてもいいから、もっと安く出してほしかった。

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2014年3月 1日 (土)

Reverie at Schloss Elmau Simcock & Goloubev

ピアノとベースのDuoで好きなアルバムはと考えてみると、自分が思っていたほど無く、 すぐ思いつくのではMichel Petrucciani & Ron McClureのOwl盤『Cold Blues』、Stephane Kerecki & John Taylorの『Patience』これくらいしかない。あとは、いつの間にかほとんど飽きてしまっていた。もしかしたら、わたしはもうJazzに飽きつつあるというのか?やはり、聴き始めたばかりのころに比べたら、熱が冷めてしまったのは確かだろう。それじゃ、他に何を聴こうかという話になると、手持ちのアルバムをもう一度じっくり聴くという気にも正直あまりなれない。だから必然的に気になるアーチストの新譜は常に注目していくことになる。

1. Pastoral (Simcock)
2. Lost Romance (Goloubev)
3. Shades Of Pleasure (Simcock)
4. Antics (Simcock)
5. A Joy Forever (Simcock)
6. Non-Schumann Lied (Goloubev)
7. Flow (Simcock)
8. Vain Song (Goloubev)
9. Reverie (Bottesini)

Gwilym Simcock (p)
Yuri Goloubev (b)

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Goloubevのベースのハーモニクス音がやたら気持ちよく、思わず音量を上げたが、下手な録音は音量を上げると荒さが出やすいが、ACTの音は低域から高域までの音のバランスも崩れることなく、嫌な音はいっさい出さないようである。ピチピチと音を立てて弦の弾かれる音がリアルによく録れている。Simcock & Goloubevは、そんな好録音に見合うレベルの高い演奏をしてくれている。楽器の音そのもの鳴りが大変良く聴こえるが、これはただ録音が良いだけではなく、なによりも良い音で楽器を鳴らす技術に長けているのだろう。このDuoは一音のみでも十分に個を表出している。SimcockはKeithに似ていると言われているようであが、ここでは同じ英国ピアニストJohn Taylorだろうか。しかし、Taylorほどのクールさはなく、もっとクラシカルで滑らかな感じがする。そんなSimcockのピアノにいい距離感で絡みつくYuri Goloubevのベースもクラシック寄りの印象で、ちょっと私的には耽美的表現のアルコ弾きが多いような気がしないでもない。

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